著者 PFC Balance編集部 編集部

「PFCバランスが大切」という話は、筋トレやダイエットの情報でよく出てきます。でも、いざ自分でやろうとすると、こう詰まりませんか。

「で、結局わたしは1日に何グラム食べればいいの?」

この記事は、まさにそこで止まっている人のためのものです。体重60kgの人を例に、目標の数字を出すまでを1ステップずつたどります。むずかしい前提知識はいりません。電卓(スマホの計算機でOK)を1回たたくだけで、今日から使える目安が決まります。

最初に全体像だけ言っておくと、やることは次の4ステップです。

  1. 基礎代謝を出す(=何もしなくても使うエネルギー)
  2. 1日の消費カロリーを出す(基礎代謝に動いた量を足す)
  3. 目的(維持・減量・増量)に合わせて1日のカロリーを決める
  4. そのカロリーをP・F・Cに振り分ける

順番に見ていきましょう。

そもそも「PFC」って何?

PFCは、3つの栄養素の頭文字です。カロリー(エネルギー)は、ほぼこの3つから生まれます。

  • P(Protein/タンパク質) … 筋肉や肌・髪などの材料。1g = 4kcal
  • F(Fat/脂質) … ホルモンの材料やエネルギーの貯金。1g = 9kcal(3つで一番高カロリー)
  • C(Carbohydrate/炭水化物) … 体と脳のメインの燃料。1g = 4kcal

ダイエットでは「カロリーさえ守ればいい」と思われがちですが、同じカロリーでも中身(PFC)の比率で、続けやすさや体の変化は変わります。なぜカロリーだけでは不十分なのかは、別記事「「カロリーさえ守れば痩せる」の落とし穴」で詳しく解説しています。

この記事では、その「中身の比率」を自分の数字に落とし込むところをやっていきます。

ステップ1:基礎代謝(きそたいしゃ)を出す

基礎代謝とは、一日中寝ていても消費するエネルギーのこと。呼吸したり体温を保ったりするだけで使う、いわば「生きてるだけでかかる電気代」です。

これは計算式で目安が出せます。今は Mifflin-St Jeor(ミフリン)式 がよく使われます。

女性: 10 × 体重kg + 6.25 × 身長cm − 5 × 年齢 − 161
男性: 10 × 体重kg + 6.25 × 身長cm − 5 × 年齢 + 5

例として、体重60kg・身長165cm・30歳の女性で計算してみます。

10 × 60 + 6.25 × 165 − 5 × 30 − 161
= 600 + 1031 − 150 − 161
≒ 1,320 kcal

この人の基礎代謝は 約1,320kcal。「式は見たくない…」という人は、同じ項目(体重・身長・年齢・性別)を入れれば無料の計算サイトでも出せます。ここでは“何をしているか”が分かるように手計算で見せました。

ステップ2:1日の消費カロリーを出す

基礎代謝は「寝ていてもかかる分」でした。実際には動くので、その分を足します。やり方は、基礎代謝に活動レベルの係数を掛けるだけです。

活動レベルこんな人係数
低いほぼ座りっぱなし1.2
軽い週1〜3日 軽い運動1.375
中程度週3〜5日 運動する1.55
高い週6〜7日 しっかり運動1.725

さきほどの女性が「週4日運動する」なら、中程度の1.55を掛けます。

1,320 × 1.55 ≒ 2,050 kcal

この 約2,050kcal が「維持カロリー」 です。ここがとても大事な基準で、この量を食べていれば、太りも痩せもしない(現状維持になる)ラインを意味します。次のステップは、ここを出発点にします。

ステップ3:目的に合わせてカロリーを決める

ここが、初心者がいちばん誤解しやすいところです。「痩せたい」も「増やしたい」も、まずカロリーの“量”で方向が決まります。

  • 維持したい → 維持カロリーのまま(約2,050kcal)
  • 減量したい(脂肪を減らす) → 維持から引く(目安:−300〜500kcal)
  • 増量したい(筋肉を増やす) → 維持に足す(目安:+200〜300kcal)

比率をいじる前に、まず合計カロリーを上下させる——これが順番です。先ほどの人(維持2,050kcal)なら、こうなります。

目的1日のカロリー計算
維持約2,050kcalそのまま
減量約1,550kcal2,050 − 500
増量約2,300kcal2,050 + 250

減量の「−500kcal」は、だいたい週0.5kgペースで落とすときの目安です。ただ、人によっては結構きつく感じることもあるので、つらければ、まずは−300kcalくらいから始めても大丈夫。早く落としたくて削りすぎると、筋肉が減ったり続かなかったりするので、無理のない範囲で進めましょう。

ステップ4:カロリーをPFCに振り分ける

合計カロリーが決まったら、最後にP・F・Cへ分けます。コツは、埋める順番をタンパク質 → 脂質 → 残りぜんぶ炭水化物にすること

  1. タンパク質(P) … まず体重を基準に決めます。目安は体重1kgあたり1.6〜2.0g。60kgなら約100〜120g。減量中は筋肉を守りたいので、やや多め(2.0g)にします。
  2. 脂質(F) … 合計カロリーの約25%ぶんを脂質から。ゼロにするのはNG(後述)。
  3. 炭水化物(C) … 残ったカロリーを全部こちらに。(合計 − Pのkcal − Fのkcal) ÷ 4

これを3つの目的にあてはめると、こうなります(60kgの例)。

目的カロリーP(タンパク質)F(脂質)C(炭水化物)
維持約2,050kcal100g55g290g
減量約1,550kcal120g45g165g
増量約2,300kcal110g65g320g

計算の実演(減量1,550kcalの場合)

「表だけ見せられても…」となりやすいので、減量の行を実際に手で出してみます。

  1. P: 体重60kg × 2.0g = 120g → 120 × 4kcal = 480kcal
  2. F: 1,550kcal の25% = 約390kcal → 390 ÷ 9kcal = 約45g
  3. C: 残り(1,550 − 480 − 390 = 680kcal)→ 680 ÷ 4kcal = 約165g

これで「P120g・F45g・C165g」が出ました。やっていることは、カロリーをPとFで埋めて、余りをCに回しているだけです。

あなたの体重でやってみる

数字を入れ替えるだけです。手順をもう一度。

  1. 基礎代謝 … Mifflin式に 体重・身長・年齢 を入れる
  2. 消費カロリー … 基礎代謝 × 活動係数(表から選ぶ)
  3. 目的別カロリー … 維持はそのまま/減量は −300〜500/増量は +200〜300
  4. PFC … P=体重×1.6〜2.0g、F=カロリーの約25%、残りをC

最初の1回だけきちんと計算しておけば、あとは応用が効きます。「一生、毎食を計算する」わけではありません。

この計算を、ここで試してみる

上の4ステップを、入力するだけで自動でやります。あなたの数字を入れてみてください(入力はこのブラウザ内だけで計算され、どこにも送信されません)。

基礎代謝kcal 1日の目標kcal
タンパク質g
脂質g
炭水化物g

※ Mifflin-St Jeor式による一般的な目安です。数値は5g・50kcal単位に丸めています。極端な制限は避け、必要に応じて専門家にご相談ください。

よくある勘違い・つまずき

初心者がはまりやすいポイントを先回りでつぶしておきます。

  • ❌ 減量なのに維持カロリーのまま比率だけ変える … 痩せる/太るの方向は、まず合計カロリーで決まります。比率いじりは“その次”。
  • ❌ タンパク質を盛りすぎる … 「多いほど良い」ではありません。体重×1.6〜2.0gで十分。とりすぎても余分はエネルギーになるだけです。
  • ❌ 脂質をゼロに振る … 脂質はホルモンの材料でもあるため、極端に減らすと不調の原因になることがあります。減らすのは“とりすぎ”であってゼロではありません。
  • ❌ 毎食ぴったり合わせようとする … 1食ごとにズレても、1日・1週間でならせば大丈夫。完璧主義はかえって続きません。

完璧じゃなくていい。測るのは最初だけ

計算した数字は、あくまで出発点の地図です。最初の数週間だけきちんと測ると、「だいたいこれで何gくらい」という感覚(目)が育ちます。そうなれば、毎回きっちり計算しなくても食事を組めるようになります。

最初だけがんばる。あとは感覚に任せる。これが続けるコツです。

アプリで目標を設定して、毎日記録する

目標の数字が出たら、それをアプリに設定しておくと便利です。PFC Balance では、自分の1日の目標PFC値を設定でき、あとは毎日の食事を記録すれば、目標に対してあと何g足りないかがひと目で分かります。 上の計算機で出した数字を、そのまま目標として入れておきましょう。

計算は最初の1回だけ。あとは数字の管理をアプリに任せて、記録に集中できます。


免責事項: 掲載の計算方法と数値は、一般的な栄養学の目安に基づくものです。医学的な診断・治療・アドバイスではありません。極端なカロリー制限は避け、持病や食事制限がある場合、健康上の懸念がある場合は、医師または管理栄養士にご相談ください。